日本分析化学会液体クロマトグラフィー研究懇談会では、2018年度より「液体クロマトグラフィー科学遺産」を認定する事となり、本年2月より9月末まで科学遺産候補の推薦公募を行った。期日までに提出された推薦書を基に、2018年液体クロマトグラフィー科学遺産認定委員会で審議した結果、「高速液体クロマトグラフLC-10Aシリーズ」(所有者:株式会社島津製作所分析計測事業部)が液体クロマトグラフィー科学遺産第1号として認定され、10月30日開催の液体クロマトグラフィー研究懇談会第7回運営委員会で承認された。

「液体クロマトグラフィー科学遺産」とは、その認定に関する規定第2条に、「日本における液体クロマトグラフィーの発展にとって、歴史的な観点から顕著な貢献があったと認められるものを指す」と定義されている。
認定第1号となった「高速液体クロマトグラフLC-10Aシリーズ」は、1991年2月に株式会社島津製作所が上市した一連のHPLC装置及び付属装置群であり、当時の最新技術を駆使する事により、先進のデザインコンセプト、世界初の光ファイバーコミュニケーション、独自のミクロプランジャー送液技術、最高の低ノイズレベル性能,世界初の2波長同時測定機能と温調セルなど数々の特徴を有していた。LC-10Aシリーズは、その最新技術、革新技術により、HPLCの応用分野における分析の品質及びデータの信頼性向上に顕著な貢献し、以後のHPLC装置開発の方向性に影響を与え、その発展に大きく寄与したと認められた。
なお、認定作業に当たったのは以下の5名である(◎印:委員長)。岡橋美貴子(病態解析研究所)、加藤尚志(バイオタージ・ジャパン)、竹澤正明(東レリサーチセンター)、◎中村 洋(東京理科大学)、三上博久(島津総合サービス)

液体クロマトグラフィー研究懇談会












この度、液体クロマトグラフィー(LC)研究懇談会はLC科学遺産を認定することとなりました。
 LC研究懇談会会員で、LC科学遺産候補の推薦を希望される方は、下記の規程(抜粋)およびLC研究懇談会ホームページを参照のうえ、2018年9月末日までに推薦書類を提出先にお送りください。
 なお、認定が決定されたLC科学遺産については、第24回LC & LC/MS テクノプラザ(2019年1月を予定)において、当事者から申請内容の概要を発表若しくは展示していただきます。

第2条「液体クロマトグラフィー科学遺産」とは、日本における液体クロマトグラフィー
   (LC)の発展にとって、歴史的な観点から顕著な貢献があったと認められるものを
   指す。
2 「液体クロマトグラフィー科学遺産」は、年度ごとに1件以内を認定する。
3 装置・器具類においては、その動作原理が日本初若しくはそれに準じたものである
   こと、又はその性能が従来のものより格段に優れていることを要する。
4 技術・方法においては、従来のものより効率、再現性、操作性などが格段に優れて
   いることを要する。
推薦書類
A4判用紙に横書きで記入した以下の書類(正各1通、副各11通)。
① 推薦理由書、② LC科学遺産候補の概要、③ LC科学遺産所有者名、④その他、適当と思われる資料等。
提出先
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-26-2五反田西ハイツ304号
(公社)日本分析化学会 LC研究懇談会 LC科学遺産認定委員会
TEL:03-3490-3351

「液体クロマトグラフィー科学遺産」認定に関する規程


(設置)
第1条 (公社)日本分析化学会液体クロマトグラフィー研究懇談会(以下、LC懇)に
   「液体クロマトグラフィー科学遺産」認定委員会(以下、認定委員会)を設置する。
2 認定委員会の運営については、LC懇内規による。

(定義及び認定対象)
第2条 「液体クロマトグラフィー科学遺産」とは、日本における液体クロマトグラフィー(LC)の
   発展にとって、歴史的な観点から顕著な貢献があったと認められるものを指す。
2 「液体クロマトグラフィー科学遺産」は、年度ごとに1件以内を認定する。
3 装置・器具類においては、その動作原理が日本初若しくはそれに準じたものであること、
   又はその性能が従来のものより格段に優れていることを要する。
4 技術・方法においては、従来のものより効率、再現性、操作性などが格段に優れていること
   を要する。

(帰属)
第3条 「液体クロマトグラフィー科学遺産」候補の帰属は、LC懇の団体会員若しくは個人会員
   でなければならない。

(推薦)
第4条 「液体クロマトグラフィー科学遺産」候補の推薦は、LC懇の個人会員若しくは団体会員が行う。

(認定及び公告)
第5条 認定委員会は、「液体クロマトグラフィー科学遺産」授賞候補の募集記事を作成すると共に、
   推薦があった候補、又は自らの候補につき、「液体クロマトグラフィー科学遺産」としての
   適否を判断し、10月末日までにその審議結果をLC懇委員長に報告する。
2 LC懇委員長は、認定委員会の審議結果を11月のLC懇運営委員会に諮り、承認を得る。
3 「液体クロマトグラフィー科学遺産」として認定が決定された案件は、LC懇のホームページ
   などを通じて公告する。
4 「液体クロマトグラフィー科学遺産」として認定が決定された申請者は、
   LC & LC/MS テクノプラザにおいて申請内容の概要を発表若しくは展示しなければならない。

附則
2017年12月12日 原案作成(中村 洋)
2017年12月20日 2017年度第9回運営委員会承認・施行