日本分析化学会液体クロマトグラフィー研究懇談会では、2018年度より「CERIクロマトグラフィー分析賞」を創設し、本年2月より9月末まで候補者の推薦公募を行った。期日までに提出された推薦書を基に、2018年度CERIクロマトグラフィー分析賞選考委員会で審議した結果、株式会社島津総合サービス リサーチセンター 三上博久氏が2018年度CERIクロマトグラフィー分析賞受賞候補者に選出され、10月30日開催の液体クロマトグラフィー研究懇談会第7回運営委員会で承認された。

「CERIクロマトグラフィー分析賞」とは、その受賞規程第2条第2項に、「液体クロマトグラフィーを利用した研究分野で優秀な研究成果を挙げた者に授与する」と規定されている。
今回の三上博久氏受賞における研究業績は、「誘導体化HPLC検出法の開発と装置化」である。三上博久氏は、1970年代終わりから1980年代に掛けてHPLCの応用性を格段に広げる手法として研究が盛んとなった誘導体化検出法について,この研究分野の日本における牽引役の一人として重要な足跡を残された。その一つが、糖類の新しいポストカラム蛍光誘導体化法についての研究である。三上博久氏が考案・開発された方法は、実用性が高く、装置化も早かったため、様々な分野で広く普及するに至り、開発から35年以上経った現在でも世界で使用されている。加えて三上博久氏は、HPLC及びLC/MS分野における検出部門のエキスパートとして、学協会への貢献、最新検出技術の普及、次世代技術者の育成など数々の社会的貢献を果たしてこられ、CERIクロマトグラフィー分析賞に相応しいとして選考された。

液体クロマトグラフィー研究懇談会









 液体クロマトグラフィー(LC)研究懇談会は、2018年度のCERIクロマトグラフィー分析賞受賞候補者の推薦を受け付けております。
 LC研究懇談会会員で、標記候補者の推薦を希望される方は、下記の規程(抜粋)を参照のうえ、推薦書類提出先にお申し出ください。

第1条
本賞は、LCを利用した研究分野で優秀な研究成果を挙げた者を対象に、年1件以内授与する。
第3条
受賞者の資格に年齢は問わないが、LC研究懇談会の会員であることが望ましい。
また、受賞者の研究成果は、既印刷のもので、少なくともその一部が公益社団法人日本分析化学会の機関誌もしくは学術刊行物に掲載されたものであることを要する。
第7条
賞の授与は、LC & LC/MSテクノプラザ(1月)において行う。
受賞者には、賞牌及び賞金(10万円)を授与する。


[注記]

1)提出書類
推薦者は、A4判用紙に横書きで記入した以下の4種類の書類(正各1通、副各11通)を 2018年9月末日までに下記提出先に送付する。
①高校卒業以後の履歴書、②推薦理由書、③研究業績の概要、④研究業績リスト:表題、全著者名(受賞候補者にアンダーライン)、雑誌名、巻数、掲載ページ数、掲載年をこの順に記載したもの、⑤その他、適当と思われる資料等を提出してもよい。
2)推薦書類提出先
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-26-2 五反田サンハイツ304号
LC研究懇談会 CERIクロマトグラフィー分析賞係
電話:03-3490-3351