啓育指導賞

2025年度



 本賞は、LC研究懇談会に2025年度創設された褒賞であり、「LC研究者の啓育指導とLC研究懇談会の発展に、大きく貢献した者に授与する。」(啓育指導賞授賞規程第2条)と性格付けられている。啓育とは、その道の初心者の能力が存分に発揮されるような機会を積極的に与え、後進の者の上達を願い教え導くことである。LC研究懇談会ホームページ(6月28日)及び2025年度の「ぶんせき」誌第9号(M2ページ)で公告し、10月15日を推薦締切として受賞者を募集した。11名からなる選考委員会(10月20日)で応募者を慎重に選考した結果、濵﨑保則氏(株式会社太田胃散、LC研究懇談会個人会員番号:LC1A24007、推薦者:筆者)を満場一致で授賞候補者に選出し、2025年第7回拡大運営委員会(10月24日)で承認した。以下、濵﨑氏のご略歴に触れた後、授賞業績の概要を紹介する。
 濵﨑氏は2009年昭和大学大学院薬学研究科(薬学専攻)博士前期課程を修了後、(株)太田胃散筑波研究所に入社し、現在は筑波研究所研究課の課長としてOTC医薬品の分析法開発、天然物分析を専門として居られる。この間、2024年には昭和大学大学院薬学研究科(薬学専攻)博士後期課程を修了し、社会人ドクターとして博士(薬学)の学位を取得されている。2024年4月1日付でLC研究懇談会の役員(運営委員心得)に就任して以来、2025年3月には上席事業委員に昇進し、誰に指示される事も無く、模範的な役員としての活動を積極的に継続されている。その主なものを列挙すると、以下の通りである。

1.8月を除いて毎月開催されるLC研究懇談会例会の殆どに参加し(2024年度は12回中11回参加)、社内の若手社員にも積極的な参加を指導。
2.その成果として、部下の古谷萌花氏が2024年度の優秀一般会員賞を受賞。
3.第29回液体クロマトグラフィー研究懇談会 特別講演会・見学会(2024年7月4日、(公財)東京都農林水産振興財団・東京都農林総合研究センター)にLC研究懇談会見学会小委員として参加。
4.2024年度のLC研究懇談会講習会(2024年7月24日~26日、神奈川県川崎市)に参加し、社員2名にも参加を指導。
5.2024年度液体クロマトグラフィー研修会(2024年11月28日・29日、静岡県三島市)に社内の若手2名を伴って参加し、基礎知識の習得を指導。
6.LC研究懇談会創立50周年記念会(2024年12月3日、北とぴあ、東京都北区)に参加。
7.LC研究懇談会第30回特別講演会・見学会(2024年12月16日、島津製作所本社及び島津創業記念資料館)に若手社員1名を伴って参加。
8.第30回LC & LC/MSテクノプラザ(2025年1月15日・16日、大田区産業プラザPIO)に実行委員として参加。
9.第404回例会(討論主題:生薬・漢方におけるHPLC分析~基礎から応用まで~、2025年2月19日)のオーガナイザーを務め、2024年度のベストオーガナイザー賞受賞。
10.2025年度に創設されたLC研究懇談会アカデミーの第1号入園者(4月)。
11.LC研究懇談会の電子ジャーナル「LCとLC/MSの知恵」への自己紹介文(第9号)、解説記事(第10号)の執筆、分析士会・協賛団体への所属企業加入等を通じて所属企業のCSR的評価向上にも貢献。

 以上の通り、濵﨑氏は知識・情報を積極的に収集・吸収する向上心に富むばかりか、社内の若手にも同様の機会を与える寛容さを持ち合わせ、部下の成長を温かく見守る姿勢を持つ稀に見る逸材である。この世知辛いご時世、濵﨑氏を上司の鏡と称するのは褒め過ぎであろうか。濵﨑氏のこの様な資質と心配りは、勤務先に留まらず、LC研究懇談会にも誠に好ましい機運を齎しており、この事は本年8月に創設された啓育指導小委員会の責任者(小委員長)に逸早く抜擢された事からも明らかである。更に、同氏の活躍の場は(公社)日本分析化学会、(公社)日本薬学会、(一社)日本生薬学会、(一社)和漢医薬学会と広範に及ぶことから、創設された啓育指導賞の最初の受賞者として最適な人物と高く評価された。 2025年10月24日記

(LC研究懇談会委員長、東京理科大学名誉教授 中村 洋)



 この度、液体クロマトグラフィー(LC)研究懇談会では啓育指導賞を創設し、2025年度の受賞者を募集する事と成りました。本賞の性格、受賞者の資格、推薦などは「啓育指導賞授賞規定」(抜粋)により、以下のように定められております。

  • 第2条(本賞の性格)
  • LC研究者の啓育指導とLC研究懇談会の発展に、大きく貢献した者に授与する。
  • 第3条(受賞者の資格)
  • 年齢は問わないが、LC研究懇談会の個人会員である事を要する。
  • 第5条(受賞候補者の推薦)
  • 推薦者は、LC研究懇談会の個人会員とする。
  • 第7条(賞の授与)
  • LC & LC/MSテクノプラザにおいて行い、授賞者には賞牌及び副賞1万円を授与する。


つきましては、受賞候補者の推薦(自薦を含む)を希望される方は、推薦理由及び候補者の略歴を含む推薦書(1ファイル)を下記送付先宛てに電子メールでお送り下さい。なお、受賞者には電子ジャーナル「LCとLC/MSの知恵」通巻第11号(12月15日発行予定)に業績の紹介をお願い致します。

送付先
LC研究懇談会(E-mail:nakamura@jsac.or.jp
応募締切
2025年10月15日(水)17時