液体クロマトグラフィー努力賞

2025年度


 標記努力賞は1995年、液体クロマトグラフィー研究懇談会に制定された若手・中堅会員に対する褒賞制度であり、「液体クロマトグラフィーに関する研究・技術が独創的であり、将来を期待される研究者・技術者が受賞の対象」とされている。今回は2024年8月末日を期日として推薦を募った。2024年9月17日より開催された標記授賞候補者選考委員会において協議した結果、アジレント・テクノロジー株式会社所属の林 慶子氏(推薦者:熊谷浩樹氏、LCシニアクラブ)を授賞候補者に決定した。この結果を運営委員会(9月20日)に上申し協議した結果、林氏への授賞を正式に決定した。研究業績名は「HPLC分析の高度化を目指した前処理及び分離、検出手法の開発と応用」である。林氏への授賞対象となった研究業績の概要を、以下に紹介する。

 林慶子氏は、アジレント・テクノロジー株式会社に入社後、一貫してHPLC、LC/MS分析のアプリケーション開発に従事して来た。この間、HPLC分析の基本要素である試料前処理及び分離、検出に関して、省力化、効率化に極めて有効な手法を多数開発し、それらを応用する事によって、ワークフローの効率化や分析精度の向上を実現し、HPLC及びLC/MS分析の高度化を図って来た。以下に、その概要を記す。

1)試料の前処理
① 試料の前処理では、濃縮や精製、希釈などの処理が一般的に行われている。多くの分析ラボでは、手作業による精製と濃縮工程が一般的であり、前処理が完了したサンプルをバイアルに封入しHPLC分析が実施されている。このプロセスは、手間が掛かるだけではなく、処理中の誤操作等分析精度に影響を及ぼす事が少なくない。そこで、林氏はバルブを用いた多段階の分離及び濃縮工程を組み込んだ分取精製システムを用いて、精製と濃縮工程を自動化して試料中の分析種だけを選択的に捕集する手法を開発した。この手法を応用して、微量不純物の高純度かつ高収量での前処理を可能とした。
② 簡易の前処理をオートサンプラー内で注入前に実施するインジェクタープログラムを活用する事により、希釈や内標準添加及び誘導体化を自動化し、分析精度の向上やラボの生産性向上を図った。 
③ 近年Process Analytical Technology(PAT)が実用化され、医薬品、工業製品の生産における合成反応や培養過程の理解促進及び重要品質パラメーターの把握を目的に、生産過程の経時変化を可視化するニーズが高まっている。HPLCは分離や定量性の面で優れているが、一般的なHPLCシステムでは、ユーザーがサンプルをマニュアルでオートサンプラーにセットする必要が有る。そこで、林氏は新規開発のバルブ開発を用いて、リアクターから反応液、培養液を直接オートサンプラー内の計量シリンジで吸引し、カラムに注入出来るシステムを開発した。この注入システムを用いたオンラインLCでは、サンプリングのタイミングを設定しておくだけで、反応液や培養液の経時変化を全自動でモニタリングする事が可能と成った。このシステムは、クエンチや希釈といった前処理を自動で実施してから注入する事も可能である。

2)分離
① 逆相分配では、試料溶媒は移動相組成と同一、或いは類似している事が理想とされる。但し、スループットが求められる場合や化合物の安定性に問題が有る場合には、強溶媒を試料溶媒とせざるを得ない場合が有る。そこで、強溶媒で調製した試料の注入では、移動相と固定相との相互作用の他に、試料溶媒が溶質の分配に寄与してしまう結果、ピーク形状の悪化やブレークスルー(非保持)が引き起こされる場合が有る。例えば、PFASは高感度検出が必要とされる分析種であるが、メタノール中では安定して測定出来る。その一方で、水溶液中では回収率の低下を引き起こす事が知られている。アジレント・テクノロジー社が新規に開発したFeed注入は、サンプル注入時に移動相を用いて試料溶媒の溶出強度を下げる機能が有る。林氏は、この機能を利用する事により、強溶媒中の溶質をカラムの先端に保持させ、試料溶媒によるピーク形状異常を防ぐ手法の開発に成功した。この手法は、グラジエント溶離において特に有効であることが示された。
② 高効率なサブ2 mmカラムの進化によって、逆相分配の分離効率は飛躍的に向上して来た。しかしながら、複雑な混合物サンプルや複数の分離手法を組み合わせて分離する必要が有る化合物など、一般的なHPLCでは分離が困難な場合が有る。この様な場合、多次元LCが有効である事は知られていたが、装置構成の複雑さやデーター解析の煩雑さから、実用的な手法とは成り難い状況であった。そこで、林氏は新たに開発された多次元LC用バルブを用い、1次元目の分離カラムからの溶出液の一部若しくは全てを2次元目に移送し、多次元分離をオンラインで実現出来るシステムを開発した。このシステムは、食品中の多成分一斉分離や、不純物ピークのより詳細な検出、複数の分離手法を組み合わせたサンプルの特性の評価等に有効であった。

3)検出
① 主成分と不純物の濃度が大きく異なる不純物分析などにおいては、一度の分析で両方の定量結果を得る事が困難で有る。これは、検出器のダイナミックレンジに限界が有る為であるので、主成分の定量と不純物の定量の分析を希釈倍率の異なるサンプルを用意した上で、各々実施していた。そこで林氏は、光路長が異なる2つのセルを用いてダイナミックレンジを拡大したハイダイナミックレンジ(HDR)ダイオードアレイ検出器を、微量不純物の分析に応用した。HDRダイオードアレイ検出器は、従来の紫外可視吸光光度検出器のダイナミックレンジが2000 mAU前後であるのに対し、6000 mAU超までの非常に広いダイナミックレンジを有している。この手法を用いる事で、従来2回注入して得ていた定量結果を1度の注入で得る事が可能に成った。
② HPLCでは、移動相にリン酸塩緩衝液が多用されて来た。リン酸塩緩衝液は、緩衝能の強さやUV透過限界の低さなどの利点が有る一方で、不揮発性である為LC/MSにはそのまま適応する事が出来ない。リン酸塩緩衝液を利用したHPLC分析をLC/MSに適用する為、ギ酸や酢酸などの揮発性添加剤に変更すると分離の選択性が変化してしまう事が有り、分離と検出を両立する条件の設定が困難である場合が多い。そこで、林氏は多次元LCを応用し、リン酸塩緩衝液を用いた1次元目の分離において、MSで検出したいピーク部分をループに貯留し、2次元目でリン酸塩を脱塩した後MSで検出する手法を開発した。これによってリン酸塩緩衝液等の不揮発性移動相を用いた分離とLC/MS検出を両立する事が可能に成った。
③ UV検出が困難な化合物には、示差屈折率検出器(RID)や蒸発光散乱検出器(ELSD)が一般的に用いられている。しかしながら、RIDではグラジエント溶離が困難な事や、ELSDでは検量線のリニアリティーとダイナミックレンジに課題が有る事などの理由で、LC/MSによる検出が必要とされる場合が有る。一方、LC/MSはHPLC用の他の検出器と比較した場合、設定するパラメーターが多く、設定次第では良好な結果が得られない事も有る。そこで林氏は、新たに開発された四重極MSの自動測定モードを使用する測定を試みた。自動測定モードは、測定したいモード(ScanかSIM)、極性、レンジやm/zを入力するだけで四重極MS の測定が可能である。UV検出が困難な化合物の例として、二重結合を有しないグリコール類や脂肪酸類について自動測定モードの評価をした所、良好な結果が得られた。
④ LC/MSで多用されているエレクトロスプレーイオン化(ESI)は、液滴の噴霧と乾燥ガスによる脱溶媒過程で、揮発性の高い化合物は移動相と共に揮発してしまう事が多く、高揮発性化合物への適応事例は多くはない。高揮発性化合物の分析には一般にGCが用いられて来たが、近年、ヘリウムの供給不安が起こり代替分析法のニーズが高まっている。そこで、林氏は移動相組成や乾燥ガス温度の最適化によって、高揮発性化合物のLC/MS分析を検討した結果、カンフルやメントールを検出する事が出来た。ヘリウムの供給不安が続く中で、高揮発化合物の分析法の一つとして有用で有ると考えられる。

 林 慶子氏の上記研究業績は、LC研究懇談会例会やLC & LC/MS テクノプラザにおける講演のみならず、LC研究懇談会の電子ジャーナル「LCとLC/MSの知恵」誌上でも広く公開されたものである。林 慶子氏のこの様な実用的な業績は、氏の将来性とLC研究懇談会活動への積極的な参加も相俟って、2025年液体クロマトグラフィー努力賞授賞に値するものと高く評価された。
 なお、林 慶子氏の受賞業績に関する詳細は、「LCとLC/MSの知恵」第9号(2024年12月15日発行予定)に掲載し、受賞講演と表彰・副賞の授与は第30回LC & LC/MSテクノプラザの初日(2025年1月15日、大田区産業プラザPIO)に行う予定である。

[LC研究懇談会・委員長 中村 洋]


 本賞は、液体クロマトグラフィー(LC)研究懇談会(以下、LC懇)が授与する褒賞で、LCに関する研究・技術が独創的であり、将来を期待される研究者・技術者を授賞の対象としております。適当な候補者がおられましたら、下記要領にてご推薦又はご応募下さい。受賞者には第30回LC &LC/MSテクノプラザ(2025年1月を予定)における受賞講演、並びにLC懇の電子ジャーナル「LCとLC/MSの知恵」(通巻第9号、2024年12月15日発行予定)への業績投稿を行って戴きます。不明な点は下記にお問い合わせ下さい。

受賞資格
LC懇の個人会員(会員番号明記)で、2025年4月1日現在で満50歳程度迄。
提出資料
①推薦書又は自薦書(A4判スペース1枚に生年月日、簡単な履歴、受賞の対象となる研究題目)
②推薦又は応募理由書(A4判を縦に使用し、1行45字、40行程度で業績説明と主要論文リストを合わせて3枚以内)
③説明資料1件(任意。特に重要な論文の別刷PDF、 その他審査の参考となる資料等)
1ファイルに纏め、下記提出先に電子メールで添付。
推薦・応募締切
2024年8月末日
提出・問合せ先
(公社)日本分析化学会・LC懇

2024年度


 本賞は液体クロマトグラフィーに関する研究・技術が独創的であり、将来を期待される研究者・技術者が受賞の対象となります。適当な候補者がおられましたら、下記要領にてご推薦又はご応募下さい。受賞者にはLC懇の電子ジャーナル「LCとLC/MSの知恵」(通巻第7号)への業績投稿と共に、第29回LC & LC/MSテクノプラザ(2024年1月を予定)における受賞講演を行って戴きます。不明な点は下記にお問い合わせ下さい。

受賞資格
本研究懇談会の個人会員で、2024年4月1日現在で満50歳程度迄。
提出資料
①推薦書又は自薦書(A4判スペース1枚に生年月日、簡単な履歴、受賞の対象となる研究題目)、②推薦又は応募理由書(A4判を縦に使用し、1行45字、40行程度で業績説明と主要論文リストを合わせて3枚以内)、③説明資料1件(任意。特に重要な論文の別刷PDF、その他審査の参考となる資料等)を下記応募先に電子メールで添付。
推薦・応募締切
2023年8月末日
応募・問合せ先
(公社)日本分析化学会・LC懇

2023年度


 標記努力賞は1995年、液体クロマトグラフィー研究懇談会に制定された若手・中堅会員に対する褒賞制度であり、「液体クロマトグラフィーに関する研究・技術が独創的であり、将来を期待される研究者・技術者が受賞の対象」とされている。今回は2022年9月末日を期日として推薦を募った。2022年10月1日より開催された標記授賞候補者選考委員会において協議した結果、三菱ケミカル株式会社所属の前中佑太氏(推薦者:三上博久氏、株式会社島津総合サービス)を授賞候補者に決定した。この結果を運営委員会(10月3日)に上申・協議した結果、前中氏への授賞を正式に決定した。研究業績名は「架橋高分子のグラフト鎖解析技術の開発」である。前中氏への授賞対象となった研究業績の概要を、以下に紹介する。

1. 架橋高分子グラフト鎖の可溶化手法及びGPECによる組成成分の評価手法の開発

合成高分子のうち架橋高分子のグラフト鎖は、その長さや樹脂組成によって製品物性に影響を及ぼす事から、詳細なグラフト鎖解析は非常に重要である。一方で、架橋高分子は溶剤に不溶である事から、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いた分子量分布測定やNMRを用いた組成分析が難しい。
前中氏は、グラフト鎖を評価する手法として、機械的な破砕による分解に着目し、可溶化技術について種々検討を行った。その結果、高分子を破砕する事により可溶化した成分は、グラフト鎖を反映した分子量、組成を有する事が分かり、前処理方法に一定の効果が有る事を明らかにした。
次に、可溶化した成分の評価手法として、グラジエントポリマー溶出クロマトグラフィー(gradient polymer elution chromatography、GPEC)を取り入れた分析方法について検討を行った。その結果、GPECによる分析方法を用いる事により、従来NMRでは確認出来なかった組成分布を評価する事が可能となった。本手法は、化学結合に依らない前処理方法である事から、種々の架橋高分子分析に広く応用出来る可能性が有る事を明らかにした。
以上、前中氏は架橋高分子を可溶化させる有効な手法の開発に成功したが、更にGPECを取り入れた分析手法を開発する事により、LC分析の可能性を大きく広げる成果を挙げた。この業績は、高分子解析手法として高く評価出来るものである。

2. 液体クロマトグラフィー研究懇談会への貢献

前中氏は2020年4月、運営委員心得として本研究懇談会の役員に就任し、1年間の運営実務を経験した後、現在も事業委員として他学協会との窓口として精力的な活動を行っている。又、前中氏は合成高分子化学の専門家であり、LCは勿論の事、GC、MS、更にはNMR、ESR、FT-IRなどを用いた分析法、解析技術に広く通じている為、本研究懇談会においては貴重な存在であり、今後一層の活躍が期待出来る逸材としての評価が高い。
前中佑太氏のこの様な研究業績と誠実な活動内容は、液体クロマトグラフィー努力賞授賞に誠に相応しく、今後の関連技術発展への貢献にも大いに期待が持てる。以上、同氏の実績とポテンシャルは、2023年液体クロマトグラフィー努力賞授賞に値するものと高く評価された。

液体クロマトグラフィー研究懇談会・委員長 中村 洋


 本賞は液体クロマトグラフィーに関する研究・技術が独創的であり、将来を期待される研究者・技術者が受賞の対象となります。適当な候補者がおられましたら、下記要領にてご推薦又はご応募下さい。受賞者には第28回LC &LC/MSテクノプラザ(2023年1月を予定)における受賞講演、並びにLC懇の電子ジャーナル「LCとLC/MSの知恵」への業績投稿を行って戴きます。不明な点は下記にお問い合わせ下さい。

受賞資格
本研究懇談会の個人会員(会員番号明記)で、2023年4月1日現在で満50歳程度迄。
提出資料
①推薦書又は自薦書(A4判スペース1枚に生年月日、簡単な履歴、受賞の対象となる研究題目)、②推薦又は応募理由書(A4判を縦に使用し、1行45字、40行程度で業
績説明と主要論文リストを合わせて3枚以内)、③説明資料1件(任意。特に重要な論文の別刷PDF、その他審査の参考となる資料等)を下記応募先に電子メールで添付。
推薦・応募締切
2022年9月末日
応募・問合せ先
(公社)日本分析化学会・LC懇
(E-mail:nakamura@jsac.or.jp

2022年度


 2021年10月12日開催の標記授賞候補者選考委員会において協議した結果、日本分光(株)所属の寺田明孝氏(推薦者:坊之下雅夫氏)を授賞候補者に決定した。この結果を2021年度第7回運営委員会(10月21日)に上申・協議した結果、寺田氏への授賞を正式に決定した。研究業績名は「光学活性検出器を利用したHPLCとSFCの応用開発」である。寺田氏への授賞対象となった研究業績の概要は、以下の通りである。

 寺田明孝氏は、中央大学大学院理工学研究科応用化学専攻(修士課程)を2009年3月に修了後、同年4月に日本分光(株)に入社し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)と超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)のシステム開発、広範な応用開発に携わった。特に、光学活性物質の分離・検出・分取に光学活性検出器(円二色性検出器、旋光度検出器)を活用した、HPLC、SFCに関する多くの応用例は見事である。更に、LC研究懇談会や日本分析化学会のみならず、モレキュラー・キラリティー、クロマトグラフィー科学会、SFC研究会など、様々な機会を捉えて成果を積極的に発表する前向きな姿勢は、若手研究者として頼もしい限りである。中でも、g-factorを用いたデータ解析法、高耐圧セルを装備した旋光度検出器の開発、分取法への有効利用などは、独創的な発想と着眼点に基づくものであり、多くの実験に裏付けられたデータの積み重ねは、高く評価出来る。

 又、同氏はクロマトグラフィーに対する広い見識を持ち、試料の前処理から、分離・検出、データ解析に及ぶ全操作に通じており、手法的にもLC/MS、LC/MS/MS、SFC/MS/MSなどに止まらずイオンクロマトグラフィーをも専門とする。加えて、LC研究懇談会の事業委員を務める傍ら、同懇談会編集の書籍「LC/MS、LC/MS/MSのメンテナンスとトラブル解決」などへの執筆を通して会員への最新情報提供にも怠りが無い。

 寺田明孝氏のこの様な研究業績と活動内容は、液体クロマトグラフィー努力賞授賞に誠に相応しく、今後も関連技術発展への貢献にも大いに期待が持てる。以上、同氏の実績は、2022年液体クロマトグラフィー努力賞授賞に値するものと高く評価された。

[液体クロマトグラフィー研究懇談会・委員長 中村 洋]


 本賞は液体クロマトグラフィーに関する研究・技術が独創的であり、将来を期待される研究者・技術者が受賞の対象となります。適当な候補者がおられましたら、下記要領にてご推薦又はご応募下さい。受賞者には第27回LC & LC/MSテクノプラザ(2022年1月を予定)における受賞講演、並びにLC懇の電子ジャーナル「LCとLC/MSの知恵」への業績投稿を行って戴きます。
 不明な点は下記にお問い合わせ下さい。

受賞資格
本研究懇談会の個人会員で、2022年4月1日現在で満50歳程度迄。
提出資料
①推薦書又は自薦書(A4判スペース1枚に生年月日、簡単な履歴、受賞の対象となる研究題目)、②推薦又は応募理由書(A4判を縦に使用し、1行45字、40行程度で業績説明と主要論文リストを合わせて3枚以内)、③説明資料1件(任意。特に重要な論文の別刷PDF、その他審査の参考となる資料等)を下記応募先に電子メールで添付。
推薦・応募締切
2021年9月末日
応募・問合せ先
(公社)日本分析化学会・LC懇(E-mail: nakamura@jsac.or.jp

2021年度

 2020年度第2回オンライン(メール)運営委員会(10月8日-9日)において標記について協議した結果、味の素(株)所属の中山 聡氏(推薦者:宮野 博氏)に授賞する事を決定した。研究業績名は「規制下の生体試料分析におけるクロマトグラフィーの活用」である。中山氏の受賞対象となった研究業績の概要は、以下の通りである。

 同氏は、東京大学大学院薬学系研究科修士課程時代から一貫して分析化学研究に従事し、1994年に味の素(株)中央研究所に配属されて以来、約25年間にわたり、味の素㈱ R&Dの分析研究、特に、クロマトグラフィーを活用した業務に従事している。現在は、定量分析研究を主な業務とするグループのグループ長として、メタボロミクス研究、製品評価技術の開発等をリードしている。中山氏は、1990年代後半から約15年にわたり、生体試料中薬物濃度測定法開発の業務に従事し、当時、黎明期であったLC/MS/MSを積極的に活用し、薬物動態研究推進の立役者として活躍した。その間に得たクロマトグラフィー分析技術と分析法バリデーションに関する知見を活用し、製薬協や厚生労働省研究班活動に従事し、日本国内での規制下の生体試料分析(Regulated Bioanalysis)に関する議論の牽引者として知られる。

 例えば、2010年~2011年にかけての製薬協を代表しての講演、厚生労働省研究班としての活動などを通して、日本初のRegulated Bioanalysisのガイドライン「医薬品開発における生体試料中薬物濃度分析法のバリデーションに関するガイドライン(2013年7月)」制定に大きく寄与したことが挙げられる。キャリーオーバーやマトリックス効果の評価方法などをQ&Aに反映させるなどの活動は、クロマトグラフィーの専門家ならではの貢献と言える。その後も、ガイドライン内容の浸透、ガイドラインではカバーしきれない項目に関する研究を精力的に遂行している。

 2015年に創薬業務を離れた後も、当時の知見を活かして、血漿中アミノ酸濃度の精密定量による疾病のリスク診断などの業務に従事し、Regulated Bioanalysisの社会実装に貢献した。その取り組みは、論文や成書、液体クロマトグラフィー研究懇談会での講演などを通して積極的に公開されており、クロマトグラフィー研究の進展に大きく貢献した。

 このような活動内容は、まさに液体クロマトグラフィー努力賞に相応しく、また、今後もクロマトグラフィー研究の応用・発展の一翼を担うことが大きに期待される。以上の業績は、2021年液体クロマトグラフィー努力賞に値すると高く評価された。

液体クロマトグラフィー研究懇談会・委員長 中村 洋


 本賞は液体クロマトグラフィーに関する研究・技術が独創的であり、将来を期待される研究者・技術者が受賞の対象となります。適当な候補者がおられましたら、下記要領にてご推薦またはご応募ください。
 受賞者には第26回LC & LC/MSテクノプラザ(2021年1月を予定)にて受賞講演を行っていただきます。不明な点は下記にお問い合わせください。

受賞資格
本研究懇談会の個人会員で、2021年4月1日現在 で満50歳程度まで。
提出資料
①推薦書又は自薦書(A4判用紙1枚に簡単な履歴と受賞の対象となる研究題目)、②推薦理由書(A4判用紙を縦に使用し、1行45字、40行程度で業績説明と主要論文リストを合わせて3枚以内)、③説明資料(任意。特に重要な論文の別刷、その他審査の参考となる資料など)を下記応募先に電子メールで添付。
推薦・応募締切
2020年9月30日(水)
応募・問合せ先
(公社)日本分析化学会液体クロマトグラフィー研究懇談会

2020年度


 本賞は液体クロマトグラフィーに関する研究・技術が独創的であり、将来を期待される研究者・技術者が受賞の対象となります。適当な候補者がおられましたら、下記要領にてご推薦またはご応募ください。
 受賞者には第25回LC & LC/MSテクノプラザ(2020年1月を予定、横浜情報文化センター)にて受賞講演を行っていただきます。不明な点は下記にお問い合わせください。

受賞資格
本研究懇談会の個人会員で、2020年4月1日現在で 満50歳以下。
提出書類
①推薦書又は自薦書(A4判用紙1枚に簡単な履歴と受賞の対象となる研究題目)、②推薦理由書(A4判用紙を 縦に使用し、1行45字、40行程度で業績説明と主要論文リストを合わせて3枚以内)、③説明資料(特に重要な論文の別刷、その他審査の参考となる資料)を添付しても構いません。
推薦・応募締切
2019年9月30日(月)
応募・問合せ先
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-26-2 五反田サンハイツ304号
(公社)日本分析化学会液体クロマトグラフィー研究懇談会
電話:03-3490-3351

2019年度


 2019年液体クロマトグラフィー努力賞受賞者が決定しました。

 2018年度第9回運営委員会(12月13日開催)で選考の結果、標記努力書の受賞者が下記の通り決定しました。受賞者には第24回LC & LC/MSテクノプラザ(2019年1月17日-18日、横浜情報文化センター)で受賞講演を行って戴きます。

受賞者
加藤尚志氏(バイオタージ・ジャパン株式会社)
受賞題目
低分子生体成分を対象とした分離分析法の開発



液体クロマトグラフィー研究懇談会



 本賞は液体クロマトグラフィーに関する研究・技術が独創的であり、将来を期待される研究者・技術者が受賞の対象となります。

 適当な候補者がおられましたら、下記要領にてご推薦またはご応募ください。

 受賞者には第24回LC & LC/MSテクノプラザ(平成31年1月17日・18日、横浜情報文化センター)にて受賞講演を行っていただきます。

不明な点は下記にお問い合わせください。

受賞資格
本研究懇談会の個人会員で、2019年4月1日現在で満40歳以下。
提出書類
①推薦書又は自薦書(A4判用紙1枚に簡単な履歴と受賞の対象となる研究題目)、②推薦理由書(A4判用紙を縦に使用し、1行45字、40行程度で業績説明と主要論文リストを合わせて3枚以内)、③説明資料(特に重要な論文の別刷、その他審査の参考となる資料)を添付しても構いません。
推薦・応募締切
2018年12月6日(木)
応募・問合せ先
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-26-2 五反田サンハイツ304号
(公社)日本分析化学会液体クロマトグラフィー研究懇談会
電話:03-3490-3351

2018年度



 本賞は液体クロマトグラフィーに関する研究・技術が独創的であり、将来を期待される研究者・技術者が受賞の対象となります。

 適当な候補者がおられましたら、下記要領にてご推薦またはご応募ください。

 受賞者には第23回LC & LC/MSテクノプラザ(平成30年1月18日・19日、横浜情報文化センター)にて受賞講演を行っていただきます。

 不明な点は下記にお問い合わせください。

受賞資格
本研究懇談会の個人会員で、2018年4月1日現在で満40歳以下。
提出書類
①推薦書又は自薦書(A4判用紙1枚に簡単な履歴と受賞の対象となる研究題目)、②推薦理由書(A4判用紙を縦に使用し、1行45字、40行程度で業績説明と主要論文リストを合わせて3枚以内)、③説明資料(特に重要な論文の別刷、その他審査の参考となる資料)を添付しても構いません。
推薦・応募締切
2017年12月14日(木)
応募・問合せ先
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-26-2 五反田サンハイツ304号
(公社)日本分析化学会液体クロマトグラフィー研究懇談会
電話:03-3490-3351

2017年度


 本賞は液体クロマトグラフィーに関する研究・技術が独創的であり、将来を期待される研究者・技術者が受賞の対象となります。

適当な候補者がおられましたら、下記要領にてご推薦またはご応募ください。

受賞者には第22回LCテクノプラザ(平成29年1月19日・20日、横浜情報文化センター)にて受賞講演を行っていただきます。

不明な点は下記にお問い合わせください。

受賞資格
本研究懇談会の個人会員で、2017年4月1日現在で満40歳以下。
提出書類
①推薦書又は自薦書(A4判用紙1枚に簡単な履歴と受賞の対象となる研究題目)、②推薦理由書(A4判用紙を縦に使用し、1行45字、40行程度で業績説明と主要論文リストを合わせて3枚以内)、③説明資料(特に重要な論文の別刷、その他審査の参考となる資料)を添付しても構いません。
推薦・応募締切
2016年12月14日(水)
応募・問合せ先
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-26-2 五反田サンハイツ304号
(公社)日本分析化学会液体クロマトグラフィー研究懇談会
電話03-3490-3351

2016年度



 本賞は液体クロマトグラフィーに関する研究・技術が独創的であり、将来を期待される研究者・技術者が受賞の対象となります。適当な候補者がおられましたら、下記要領にてご推薦またはご応募ください。

 受賞者には第21回LCテクノプラザ(平成28年1月21日・22日、横浜情報文化センター)にて受賞講演を行っていただきます。

 不明な点は下記にお問い合わせください。

受賞資格
本研究懇談会の個人会員で、2016年4月1日現在で満40歳以下。
提出書類
①推薦書又は自薦書(A4判用紙1枚に簡単な履歴と受賞の対象となる研究題目)、②推薦理由書(A4判用紙を縦に使用し、1行45字、40行程度で業績説明と主要論文リストを合わせて3枚以内)、③説明資料(特に重要な論文の別刷、その他審査の参考となる資料)を添付しても構いません。
推薦・応募締切
2015年12月18日(金)
応募・問合せ先
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-26-2 五反田サンハイツ304号
(公社)日本分析化学会液体クロマトグラフィー研究懇談会
電話:03-3490-3351

2014年度



 液体クロマトグラフィー研究懇談会では、第100回例会を記念して標記努力賞を創設しております。
本賞は液体クロマトグラフィーに関する研究・技術が独創的であり、将来を期待される研究者・技術者が受賞の対象となります。
適当な候補者がおられましたら、下記要領にてご推薦またはご応募ください。
受賞者には第19回LCテクノプラザ(平成25年1月23日・24日、横浜情報文化センター)にて受賞講演を行っていただきます。
不明な点は下記にお問い合わせください。

受賞資格
本研究懇談会の個人会員で、2014年4月1日現在で満40歳以下。
提出書類
①推薦書又は自薦書(A4判用紙1枚に簡単な履歴と受賞の対象となる研究題目)
②推薦理由書(A4判用紙を縦に使用し、1行45字、40行程度で業績説明と主要論文リストを合わせて3枚以内)
③説明資料(特に重要な論文の別刷、その他審査の参考となる資料)を添付しても構いません。
推薦・応募締切
10月25日(金)
応募・問合せ先
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-26-2 五反田サンハイツ304号
(公社)日本分析化学会液体クロマトグラフィー研究懇談会
電話:03-3490-3351