アルプス薬品工業株式会社
研究開発部
星合隆周
当社は合成・生薬・漢方医薬品原料、天然色素、食品添加物、飼料添加物などを製造販売しています。原料の一部を中国から購入しているため、その1次加工を行う関連会社が中国にあり、調査や試作でその関連会社の工場に出張することがあります。その工場があるのは新疆ウイグル自治区カシュガル地区にある巴楚県(マラルベシ県)で、シルクロードの天山南路(漠北路)沿いの天山山脈とタクラマカン砂漠に挟まれた街です。
当社のある岐阜県飛騨市から工場のある巴楚県へは中部国際空港から空路で北京、新疆ウイグル自治区ウルムチ市を経由して同カシュガル市へ行き、そこからさらに車で約250km移動する必要があるため到着までに丸二日を要します。
巴楚県の市街地は近年整備されたのか大きな道路が碁盤の目状に通っており、道路沿いには店舗、ホテル、役場など比較的大きな建物が並んでいます。道路は道幅の割りに交通量は少なく、車やオートバイに混ざって、ロバが引く荷車や羊の群れものんびりと通っていきます。一方、市街地から出ると平屋の古い建物が密集して立ち並ぶ旧市街のような一帯があり、その先は畑、草原そして砂漠と続いています。砂漠の近くなので夏は暑く乾燥しています。雨も少ないため天気の良い日が多いのですが、時々砂嵐がやってきてあたり一面砂だらけになる事があります。その影響なのか、工場の分析機器の中を覗いたら砂が積っていたということもありました。反対に冬は寒く最低気温が氷点下10度を下回る日も多く寒暖の差が激しい土地です。
さて、海外出張でのお楽しみ(場合によっては悩みの種)といえば食べものですが、新疆一帯でお昼ごはんなどの定番としてよく食べられているのが羊肉と野菜の炒め物をこしのあるうどん風の麺にかけて食べる新疆拌面です。また、新疆烤肉(シシカバブ?、羊肉の串焼き)のお店が多く見られ、お店の軒先に羊のお肉がぶら下がっています。基本的にお肉は羊なので、においがダメという方も見えるようですが、私は鼻が弱い事もあってかおいしくいただいています。メロン、スイカ、ブドウなどの果物もよくとれるようで道端に山積みにして売られています。
巴楚県への出張はこれまでに夏と冬各1回ずつ経験しましたが、今後も出張で訪れる予定があるので、業務もさることながら業務外でも巴楚県を満喫できればと思います。
(2013年3月1日 記)
プロフィール
星合 隆周、Takanori HOSHIAI LC分析士二段、LC/MS分析士二段
2001年3月 岐阜大学大学院工学研究科応用化学専攻修士課程修了、
現在 アルプス薬品工業株式会社の研究開発部にて医薬品原薬や食品添加物の製造工程改良に従事。
趣味:写真、登山。